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水まわり

浴室のリフォームで、宿だけが気をつけること

住宅の浴室と宿の浴室は、求められるものが違います。素材選びより先に決めるべき、防水・換気・動線の考え方です。

浴室は、宿の中で最も投資対効果が読みにくい場所です。写真では伝わりにくく、それでいて費用はかかります。ただ、ここを外すと口コミに直接響きます。

ユニットバスか、在来工法か

ユニットバス在来工法
防水工場生産で品質が安定施工の質に左右される
清掃継ぎ目が少なく短時間で済む目地に汚れが残りやすい
意匠選べる範囲が決まっている自由度が高い
工期短い長い
改修のしやすさ将来の交換が容易作り直しになる

写真で見せたい一室だけ在来工法にして、ほかはユニットにするという分け方もあります。全室を在来にすると、清掃と保守の負担が毎日積み上がります。

毎回違う人が使う、という前提

住宅の浴室は、使う人が使い方を知っています。宿は違います。シャンプーの位置、シャワーの切り替え、換気扇のスイッチ。分かりにくいと、それだけで問い合わせになります。

  • 操作が一目で分かる水栓を選ぶ
  • タオル掛けを、脱衣所側と浴室側の両方に用意する
  • 手すりを付ける(高齢のゲストと、濡れた床での転倒対策)
  • アメニティの置き場所を決めておく

浴室にどこまで投資すべきか、相談できます。

浴室の費用感を聞く

解体してから分かることが多い場所

木造の浴室は、長年の水漏れで土台が傷んでいることがあります。解体して初めて分かるため、見積もりの段階で追加の可能性を確認しておいてください。

予備の枠を持つ

浴室の改修では、土台の補修が必要になる可能性を予算に見込んでおくと、判断が早くなります。見つかってから資金を探すと、工程が止まります。

露天や外風呂を足すなら、先に決める

屋内の浴室から屋外へ出る動線は、あとから作るのが難しい部分です。将来的に外風呂を考えているなら、屋内側の工事の段階で出入口の位置を決めておいてください。

湯船に浸かってもらう前提かどうか

訪日客の中には、湯船に浸かる習慣が無い方もいます。一方で、日本の風呂を体験したくて来る方もいます。どちらを想定するかで、投資すべき場所が変わります。

想定力を入れる場所
シャワー中心水圧、シャワーヘッド、洗い場の広さ
湯船が目的浴槽の大きさと素材、眺め、照明
両方洗い場と浴槽を分けて、どちらも使いやすくする

浴槽を大きくすると、湯を張る量と時間が増えます。連泊で毎日張り替えるのか、シャワーだけの日もあるのか。運用の想定まで含めて決めてください。

浴室にどこまで投資すべきか、相談できます。

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貸切にするかどうか

客室数が複数ある宿では、浴室を共用にするか、時間で貸し切るかを決める必要があります。貸切にすると単価を上げやすくなりますが、予約の管理と清掃の手間が増えます。

貸切にするなら、脱衣所の鍵、使用中を示す表示、時間の割り振り方を設計の段階で決めておいてください。あとから足すと、扉の交換が必要になることがあります。

眺めを作れるかどうか

浴室に窓があり、外に見せられるものがあるなら、それだけで宿の主役になります。庭、樹木、遠景。何も無ければ、坪庭を作る、目隠しの格子越しに光を入れる、といった方法があります。

ただし窓を大きくすると、断熱が落ちて冬が寒くなります。内窓を入れる、樹脂サッシにするなど、性能を落とさない方法とあわせて検討してください。

外から見えないか、必ず現地で確認する

図面では隣家との距離が足りていても、二階の窓から見えることがあります。日中と夜間の両方で、実際に立って確かめてください。夜は室内の灯りで、外からのほうがよく見えます。

床の温度と、滑りにくさ

浴室の床は、二つの条件を同時に満たす必要があります。濡れても滑らないことと、冬に冷たすぎないことです。

  • 表面に凹凸のある素材を選ぶ(つるつるした石は危険)
  • 断熱性のある床材にする、または床暖房を検討する
  • 水はけの勾配を確保して、水が残らないようにする
  • 排水口の位置を、動線の邪魔にならない場所にする

転倒は、宿泊施設として最も避けたい事故のひとつです。高齢のゲストや、飲酒後の利用も想定してください。

工事中の営業をどうするか

浴室が使えない期間は、営業できません。客室が複数あって浴室が一つの場合、工事期間はそのまま休業になります。

工期を短くするならユニットバス、意匠を取るなら在来工法。この選択は、休業日数の差としても効いてきます。年間の稼働と単価から、休業のコストを計算したうえで判断してください。

アメニティと備品の置き方

設備が良くても、置き方で印象が変わります。宿の浴室では、次の点が評価につながります。

  • シャンプー類は、詰め替えのボトルを統一して並べる
  • 洗面器と椅子は、清潔に見える素材にする(木は雰囲気が出るが手入れが要る)
  • 髪の毛が残りやすい排水口は、掃除しやすい形状のものを選ぶ
  • 使い方の説明を、必要な場所に短く掲示する

ボトルがメーカーのままバラバラに置かれていると、それだけで生活感が出ます。写真にも写る部分なので、工事の計画に含めて考えてください。

よくいただくご質問

浴室の工事中、営業はできますか

浴室が一つの場合は難しくなります。シャワーだけでも使える状態を作れるか、施工会社に相談してください。近隣に日帰り入浴施設がある立地なら、案内して営業を続ける方法もあります。

ユニットバスでも、宿らしさは出せますか

出せます。照明の色を落ち着かせる、木の腰壁を足す、窓からの眺めを作る。こうした要素で印象は大きく変わります。防水の確実さを取りつつ、意匠を足すことは可能です。

浴槽は大きいほうがよいですか

定員と、湯を張る運用で決まります。大きくすると湯量と時間が増え、連泊で毎日張り替えるのが負担になります。二人で入れる程度が、多くの宿にとって扱いやすい大きさです。

追い焚きは必要ですか

複数のゲストが時間をずらして入浴する宿では、あると満足度が上がります。一方、毎回張り替える運用なら不要です。給湯の方式とあわせて決めてください。

相談の前に、決めておくとよいこと

浴室の計画では、次の四つが決まっていると話が進みます。

  • 定員と、想定する入浴の使われ方(時間をずらすのか、貸切にするのか)
  • 湯船に浸かってもらう前提か、シャワー中心か
  • 工事中に営業を止められるか
  • 窓の外に、見せられるものがあるか

三つ目は工法の選択に直結します。休業できる日数が限られるなら、工期の短い方法から検討することになります。

開業後の手入れまで含めて選ぶ

浴室は、毎日使われて毎日濡れる場所です。素材を選ぶときは、五年後にどう見えるかを想像してください。

目地の色が変わっていないか、金物にさびが出ていないか、コーキングが黒ずんでいないか。新品のときは分からない差が、運営を続けるうちに出てきます。

施工会社に「この素材は五年後どうなりますか」と尋ねてみてください。経験のある会社なら、実例を挙げて答えられます。

この記事のまとめ

  • ユニットバスは確実さ、在来工法は意匠。分けて使う方法もある
  • 毎回違う人が使う前提で、操作の分かりやすさを設計する
  • カビは換気の設計で決まる
  • 木造では、解体後に土台の補修が必要になることがある
  • 窓の外の見え方は、昼と夜の両方を現地で確認する
  • 浴室が一つの宿では、工事期間がそのまま休業になる

どこまでやるべきかの相談

浴室にどこまで投資すべきかは、狙う客層と客室数によって変わります。物件の条件をお聞かせいただければ、費用と効果のバランスについてお伝えします。

制度や費用の情報は2026.08.22時点のものです。 実際の可否は物件の条件によって変わりますので、個別にご確認ください。

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ユニットにするか在来にするか、どこまで費用をかけるべきか。客室数と狙う客層をお聞かせいただければ、判断の材料をお伝えします。

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