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宿のリフォームで、補助金は使えるのか

制度は年度と自治体で変わるため、使えるかどうかは物件と工事内容によります。探し方と、申請で気をつける点を整理しました。

リフォームの補助金について尋ねられることは多いのですが、「この工事なら必ず出ます」と言える制度はありません。国の制度、都道府県の制度、市区町村の制度がそれぞれ別に動いており、年度ごとに内容も予算枠も変わるためです。

どこを探すか

  1. 1.物件所在地の市区町村(観光・商工・住宅の各担当課)
  2. 2.都道府県の観光部門と産業部門
  3. 3.国の制度(省エネ・耐震・観光振興など、目的別に分かれている)
  4. 4.商工会議所や観光協会が案内している地域限定の制度

宿泊施設向けに限定した制度だけでなく、省エネ改修や耐震改修、バリアフリー化といった目的で使えるものもあります。工事の内容から探すほうが見つかりやすいことがあります。

申請で最も多い失敗

着工後は申請できない

多くの制度が「交付決定の前に着工していないこと」を条件にしています。契約や着工を先に済ませてしまうと、あとから申請しても対象外になります。工事の段取りを組む前に、使える制度があるかを確認してください。

また、申請には見積書や図面、工事前の写真が必要になります。これらを揃えるには施工会社の協力が要るため、申請の実務に慣れた会社かどうかで進み方が変わります。

使える制度があるか、調べるところからお手伝いします。

補助金が使えるか調べる

採択されるとは限らない

予算枠のある制度では、申請しても採択されないことがあります。補助金が出る前提で資金計画を組むと、外れたときに動けなくなります。

補助金は「出たら助かるもの」として扱い、出なくても実行できる範囲で計画を立てるのが安全です。

税制の優遇もある

補助金とは別に、設備投資に関する税制上の措置が使える場合があります。適用の可否は事業の形態や規模によって変わるため、顧問の税理士にご確認ください。

工事の内容から探す

「宿泊施設向け」と銘打った制度だけを探すと、見つからないことがあります。工事の目的から探すと、対象になる制度が見つかることがあります。

  • 省エネ改修(断熱、窓、給湯器、空調)
  • 耐震改修(旧耐震の建物の補強)
  • バリアフリー化(手すり、段差解消)
  • 空き家の活用(移住・定住や、まちづくりの文脈)
  • 観光振興(インバウンド受け入れ環境の整備)
  • 商店街や特定地域の活性化

同じ工事でも、どの制度に当てはめるかで採択のしやすさが変わります。複数の可能性を並べて検討する価値があります。

使える制度があるか、調べるところからお手伝いします。

補助金が使えるか調べる

申請に必要になるもの

段階必要になるもの
申請前見積書、図面、工事前の写真、事業計画
交付決定後契約書の写し、着工の報告
工事中中間の写真(見えなくなる部分の記録)
完了後完了報告書、領収書、完成写真

工事中の写真が抜けやすい

壁の中に入る断熱材や配線は、仕上げてしまうと確認できません。撮り忘れると補助の対象から外れることがあります。申請すると決めたら、施工会社に写真の記録を依頼しておいてください。

施工会社の協力が要る

申請の書類は、施主だけでは揃いません。仕様書、内訳が分かる見積書、施工中の記録。これらは施工会社が用意するものです。

補助金の申請に慣れていない会社だと、書式が合わずに差し戻されたり、締切に間に合わなかったりします。制度を使うと決めているなら、会社選びの段階で経験の有無を確認してください。

スケジュールが最も難しい

多くの制度には申請の受付期間があり、年度の前半に集中します。そこから交付決定まで1〜2か月、工事を終えて完了報告、そのあとに入金という流れです。

つまり、補助金を使う場合は開業までの期間が延びます。急いで開業したい場合と、補助金を取りにいく場合は、両立しないことがあります。どちらを優先するかを先に決めてください。

融資との組み合わせ

補助金は原則として後払いです。工事費はいったん全額を支払う必要があります。手元の資金が足りない場合、つなぎの融資を検討することになります。

日本政策金融公庫や、自治体の制度融資が使えることがあります。補助金の交付決定通知は、融資の審査でも材料になります。金融機関への相談は、工事の計画と並行して進めておいてください。

探すときの順番

  1. 1.工事の内容を固める(何をするかが決まらないと、対象かどうか判断できない)
  2. 2.物件所在地の市区町村の窓口に問い合わせる(最も身近な制度が見つかる)
  3. 3.都道府県の観光・産業部門を確認する
  4. 4.国の制度を、目的別に調べる
  5. 5.使えそうな制度が見つかったら、締切と着工の時期を確認する
  6. 6.施工会社に、その制度の経験があるか尋ねる

二番目を先にやるのが要点です。国の制度から調べ始めると、要件が大きく感じられて諦めがちですが、自治体には規模の小さい使いやすい制度があることがあります。

よくいただくご質問

申請は自分でできますか

できます。ただし書類の量が多く、施工会社から取り寄せる資料もあります。締切が迫っている場合は、申請の支援を行っている事業者に依頼する方法もあります。

複数の制度を同時に使えますか

制度によります。同じ工事に対して国と自治体の補助を重ねて受けられない場合がある一方、対象の工事が異なれば併用できることもあります。それぞれの制度の要件を確認してください。

補助金は課税されますか

受け取った補助金は原則として収入として扱われます。設備投資に充てた場合の圧縮記帳など、税務上の取り扱いがありますので、顧問の税理士にご確認ください。

採択されなかった場合、工事はどうなりますか

交付決定の前に着工していなければ、工事を見送るか、自己資金で進めるかを選べます。だからこそ、補助金が出る前提で契約を先に進めないことが重要です。

相談の前に、確認しておくとよいこと

使える制度を調べるには、次の情報が要ります。

  • 物件の所在地(市区町村まで)
  • 予定している工事の内容
  • 着工の希望時期
  • 事業として届出や許可を取る予定があるか

とくに三つ目が重要です。多くの制度が交付決定の前の着工を認めていないため、時期によっては今年度の制度に間に合わないことがあります。早い段階でご相談ください。

制度に振り回されないために

補助金は、あくまで手段です。制度の要件に合わせて工事の内容を変えてしまうと、本来やりたかったことから離れていきます。

たとえば、省エネの制度に合わせて設備を選んだ結果、宿として使いにくくなる。こうした本末転倒は実際に起こります。

まず宿としてどうしたいかを決めて、そのうえで使える制度があれば取りにいく。この順番を崩さないでください。

この記事のまとめ

  • 「必ず出ます」と言える制度は無い。年度と自治体で変わる
  • 工事の目的から探すと、対象になる制度が見つかりやすい
  • 交付決定の前に着工すると、対象外になることが多い
  • 工事中の写真が抜けると、補助の対象から外れることがある
  • 採択されない可能性があるため、出なくても実行できる計画にする
  • 補助金は後払い。つなぎの資金を確保しておく

調べるところからお手伝いします

宿づくりの窓口では、その時点で利用できる可能性のある制度をお調べしてお伝えし、申請の実務に対応できる施工会社をご紹介しています。利用を保証するものではありませんが、探す手間は減らせます。

制度や費用の情報は2026.08.22時点のものです。 実際の可否は物件の条件によって変わりますので、個別にご確認ください。

CONTACT

その工事で使える制度を、お調べします。

制度は年度と自治体で変わります。物件の所在地と工事の内容をお聞かせいただければ、その時点で可能性のある制度と、申請に対応できる会社をお伝えします。

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