宿づくりの窓口
無料で相談する
コラム一覧へ

費用

宿のリフォーム費用は、何で決まるのか

同じ「浴室を新しくする」でも、費用は倍以上変わります。金額を左右しているのは設備のグレードではなく、別のところにある四つの要素です。

リフォームの見積もりを何社かから取ると、金額が大きく違って驚くことがあります。同じ工事を頼んだつもりなのに、倍近く差が出ることも珍しくありません。この差は、たいてい設備のグレードでは説明がつきません。費用を動かしているのは別の四つです。

① 配管と配線を、どこまで動かすか

水回りの費用で最も大きいのはここです。既存の位置のまま機器を入れ替えるのと、レイアウトを変えて給排水を引き直すのとでは、工事の規模がまったく違います。

床や壁を開ける範囲が広がり、解体と復旧が増え、工期も延びます。設備そのものの値段は変わっていないのに、総額が倍になるのはこのためです。

確認しておくこと

見積もりを比べるときは、配管の移動範囲が同じ前提になっているかを揃えてください。ここが違うまま金額だけを比べても意味がありません。

② 既存の建物が、どんな状態か

解体してみたら土台が傷んでいた、断熱材が入っていなかった、配線が古い規格だった。こうした発見は木造の古い建物では珍しくありません。

良心的な会社は、この可能性を最初から見積もりに含めるか、別枠で「発生した場合の想定」として提示します。安い見積もりが、実は発見された分をすべて追加請求する前提だった、ということもあります。

その物件だと、いくらになるのか聞いてみませんか。

うちの物件の費用感を聞く

③ 足場を組むかどうか

外壁や屋根に手を入れる工事では、足場の設置が必要になります。足場は工事の内容にかかわらずかかる費用なので、外壁と屋根と雨樋を別々の年に分けてやると、そのたびに足場代を払うことになります。

外まわりの工事は、一度でまとめたほうが総額は下がります。

④ 手続きが要るかどうか

宿泊施設への転用では、規模によって建築基準法上の用途変更の手続きや、消防設備の設置が必要になります。これらは設計料と申請の手間、そして設備そのものの費用として乗ってきます。

工事の内容が同じでも、住宅のままリフォームするのと、旅館業の許可を取れる状態にするのとでは、必要なものが変わります。

設備のグレードは、思ったより効かない

意外に思われるかもしれませんが、機器の型番を一つ上げても総額への影響は限定的です。工事費と手間賃が大部分を占めるためです。

逆に言えば、同じ工事をするなら、目に触れる部分のグレードを上げたほうが投資対効果は高くなります。宿の場合、写真に写る場所とゲストが手で触れる場所が、それにあたります。

その物件だと、いくらになるのか聞いてみませんか。

うちの物件の費用感を聞く

工事費の中身を、三つに分けて見る

見積書の金額は、大きく三つに分かれます。材料費、工事費(職人の手間賃)、そして現場を管理するための経費です。このうち最も大きいのは、多くの場合で二つ目の手間賃です。

区分中身動きやすさ
材料費設備機器、建材、塗料グレードを変えると動くが、幅は限られる
工事費解体、下地、施工、清掃の人手作業量に比例する。ここが総額を決める
経費現場管理、運搬、廃材処分、養生工期と現場の条件で変わる

配管を動かすと費用が跳ね上がるのは、材料が高くなるからではありません。床や壁を開け、配管を敷き直し、また塞ぐという作業が増えるからです。手間賃は日数に比例します。

部位ごとに、効いてくる要素が違う

同じ「費用が変わる」でも、どこに手を入れるかで効く要素が変わります。予算を考えるときは、この違いを頭に入れておくと配分しやすくなります。

部位費用を大きく動かすもの
キッチン・浴室・洗面配管を移動するかどうか
客室・LDKの内装面積と、壁を抜くかどうか
外壁・屋根足場の有無と、下地の傷み具合
サウナ・露天風呂電気容量と給排水の引き込み
外構・庭残土の処分と、舗装の面積

たとえば築40年の木造戸建てを一棟貸しにする場合、内装だけを新しくするのと、水回りの位置を変えて動線を作り直すのとでは、同じ延床面積でも工事の規模がまったく違います。

宿だからこそ乗ってくる費用

住宅のリフォームでは出てこない項目があります。見積もりを比べるとき、これらが含まれているかどうかで金額が変わります。

  • 消防設備(自動火災報知設備、誘導灯、消火器など)
  • 用途変更の設計料と申請費用
  • 家具・家電・寝具・リネンの一式
  • 食器や調理器具などの備品
  • サイン、鍵の受け渡し設備(スマートロックなど)
  • 撮影のための仕上げ清掃とスタイリング

見落としやすいのは最後の二つ

内装が仕上がっても、写真が撮れなければ予約は入りません。備品と撮影の費用を工事費に含めずに考えていて、開業直前に予算が足りなくなる例があります。

時期によっても変わる

工事費は、依頼する時期にも左右されます。年度末は公共工事と重なって職人の確保が難しくなり、価格も工期も動きます。逆に閑散期に相談すると、日程の融通が利くことがあります。

開業日から逆算して、いつ着工すべきかを決めるとき、この点も含めて考えると余裕のある計画になります。

安すぎる見積もりを、どう見るか

他社より明らかに安い見積もりが出てきたとき、確認すべきことがあります。安さには理由があり、それが妥当な場合もあれば、あとで問題になる場合もあります。

  1. 1.工事の範囲が同じか(どこかを除外していないか)
  2. 2.含まないものの欄に、何が書かれているか
  3. 3.解体後に想定外が出た場合、どう扱う契約になっているか
  4. 4.現地調査をしたうえでの金額か

自社で施工する会社と、下請けに出す会社では、中間マージンの分だけ差が出ます。これは正当な安さです。一方、範囲を削って安く見せているだけなら、あとから同じ金額に戻ります。

予算の立て方は、上限から引き算する

「いくらかかりますか」と尋ねる前に、いくらまで出せるかを決めておくと、話が早く進みます。上限が決まっていれば、その中で何ができるかを組み立てられるためです。

宿の場合、工事費だけでなく、開業までに必要な費用の全体で考える必要があります。

  • 工事費(本体)
  • 家具・家電・寝具・備品
  • 申請費用(旅館業の許可、用途変更、消防)
  • 撮影と、予約サイトへの掲載準備
  • 開業までの期間の固定費(借入の返済、光熱費の基本料金)
  • 想定外に備えた予備費

工事費だけで上限まで使い切ると、家具を入れる金額が残りません。内装は仕上がったのに開業できない、という状態は実際に起こります。

この記事のまとめ

  • 費用を動かすのは、設備のグレードではなく配管の移動範囲・既存の状態・足場・手続きの有無
  • 見積書は材料費・工事費・経費に分かれ、最も大きいのは職人の手間賃
  • 部位によって、費用を左右する要素が違う
  • 宿では消防設備・申請・家具備品・撮影の費用が別に乗る
  • 安すぎる見積もりは、範囲を削っていないかを確認する
  • 予算は工事費だけでなく、開業までの総額で考える

金額をお伝えするには、条件が要ります

このページで具体的な金額を出していないのは、上の四つが分からないまま数字を出しても、判断の役に立たないからです。同じ「浴室のリフォーム」でも、条件次第で答えは変わります。

所在地、物件の種別と広さ、いま困っていること。この三つをお聞かせいただければ、いくらかかるのか、どこまで変えられるのかをお伝えします。図面は無くても構いません。

制度や費用の情報は2026.08.22時点のものです。 実際の可否は物件の条件によって変わりますので、個別にご確認ください。

CONTACT

あなたの物件で、いくらかかるのかをお伝えします。

所在地・広さ・やりたいこと。この三つが分かれば、金額の見当をお伝えできます。図面は無くても構いません。

うちの物件の費用感を聞く

入力は3分ほどです。ご相談・収益試算・ご紹介まで費用はかかりません。