民泊清掃費の適正相場は?規模・エリア・依頼先別に解説
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民泊の清掃費とは、ゲストのチェックアウト後に次の宿泊者を迎えるために行う客室清掃・リネン交換・消耗品補充にかかるコストの総称です。運営コストの中でも毎回必ず発生する「固定的な変動費」であり、削りすぎれば清潔感の低下→レビュー評価の下落→予約減という悪循環を招きます。この記事では、物件規模・エリア・依頼先ごとの相場と、コストを削る際の限界ラインを具体的な数字で整理します。
民泊の清掃費はいくらが相場?
一般的な民泊の清掃費は、1回あたり3,000〜20,000円程度が目安です。ただしこの幅は非常に大きく、「1Kの都市部ワンルーム」と「郊外の一棟貸し4LDK」では作業量がまったく異なります。費用を決める主な変数は次の3つです。
- 物件の広さ・間取り:清掃面積が直接工数に比例する
- エリア:都市部は人件費が高く、地方は低い傾向
- 依頼先:専門業者・家事代行・個人スタッフで単価が異なる
以下では、それぞれの軸で相場を掘り下げます。
物件規模別の清掃費の目安
間取りごとのおおよその相場は下表のとおりです。あくまで一般的な傾向であり、設備の充実度(バスルームの数、キッチンの広さ、アメニティの種類など)によってさらに変動します。
間取り目安 | 清掃時間の目安 | 費用目安(1回) |
|---|---|---|
ワンルーム〜1LDK(〜35㎡) | 1〜1.5時間 | 3,000〜6,000円 |
2LDK(35〜60㎡) | 1.5〜2.5時間 | 6,000〜10,000円 |
3LDK(60〜90㎡) | 2.5〜4時間 | 10,000〜15,000円 |
一棟貸し・4LDK以上(90㎡〜) | 4〜8時間 | 15,000〜25,000円以上 |
リネン(シーツ・枕カバー・タオル類)の洗濯・乾燥・交換は、清掃費に含む業者と別途請求する業者があります。見積もり取得時には「リネン込みか否か」を必ず確認してください。
エリア別の価格傾向
清掃費に占める人件費の比率は高く、最低賃金の地域差が費用に直結します。おおまかな傾向は以下のとおりです。
都市部(東京・大阪・名古屋など)
最低賃金が高く、清掃スタッフの確保コストも上昇しています。同じ1LDKでも、地方より1,000〜3,000円程度割高になるケースが多い傾向です。ただし競合業者も多く、複数の物件をまとめて依頼すると単価交渉の余地が生まれます。
地方・観光地エリア
基本の人件費は低めである一方、観光地では繁忙期(ハイシーズン)に清掃スタッフが不足し、割増料金が発生することがあります。また、アクセスが不便な山間部や離島では出張費が加算されるケースも珍しくありません。
インバウンド需要の高いエリア
外国語対応のウェルカムセット準備や、ゴミの分別対応など付帯作業が増える場合があり、標準的な清掃費より割高になる物件もあります。
依頼先別の費用・メリット・デメリット比較
清掃の依頼先は大きく3種類に分かれます。それぞれの特徴を整理します。
①民泊専門の清掃業者
民泊・簡易宿所の清掃に特化した事業者で、チェックアウト後の短い転換時間(ターンオーバー)への対応、アメニティ補充、報告写真の送付などに慣れています。費用は相場内のやや上位ゾーンになりますが、品質の安定性が高く、複数物件オーナーに向いています。
②家事代行サービス
時給制(目安:1,500〜3,000円/時)で依頼するケースが多く、小さな物件では割安になることがあります。一方で「民泊のターンオーバー」という概念に不慣れなスタッフが来る場合があり、チェックリストや手順書の整備が必要です。
③個人スタッフ(アルバイト・知人など)
費用は最も抑えられますが、急な欠勤リスク・品質のばらつき・労務管理の手間が生じます。住宅宿泊事業法や労働関連法規の観点から、適切な雇用契約や業務委託契約の整備が必要です。詳細は社会保険労務士などの専門家に確認することを推奨します。
④民泊運営代行会社(清掃込みプラン)
予約管理・ゲスト対応・清掃を一括で委託するプランを提供している会社もあります。清掃単価は単独依頼より割高になる場合がありますが、オーナーの手間を大幅に削減できます。運営代行会社の無料紹介から複数社を比較することで、コストと品質のバランスを確認できます。
清掃費は削りすぎると損をする?損益分岐点の考え方
清掃費を削りすぎると、短期的なコスト削減が長期的な収益低下を招きます。その仕組みを数字で整理します。
レビュー評価と稼働率の関係
Airbnbや楽天トラベルなどのOTAでは、「清潔さ」の評価が検索順位・予約転換率に直接影響します。清潔さの評価が4.5を下回ると、サジェストされる頻度が落ちるという傾向が現場で報告されています(プラットフォームのアルゴリズムは非公開であり、目安として参照してください)。
仮に清掃コストを月2万円削減した結果、稼働率が5%低下したとします。1泊8,000円の物件で月25泊稼働していた場合、5%の稼働率低下は約1.25泊分=約10,000円の売上減を意味します。さらに悪評が累積すれば翌月以降の損失はより大きくなります。
清掃費の「削れるライン」と「削ってはいけないライン」
- 削れる余地あり:消耗品の仕入れを見直す、リネンを自前で洗濯して洗濯代を節約する、清掃頻度ではなく清掃手順を効率化する
- 削ってはいけない:トイレ・バスルームの除菌、シーツ交換、キッチン周りの油汚れ対応。これらはゲストが最も敏感に反応する箇所で、1件の低評価レビューが数週間分の予約に影響することがあります
清掃の品質を落とさずにコストを見直したい場合は、清掃費シミュレーターで物件条件を入力し、適正コストの目安を確認してみてください。
清掃費をゲストに転嫁する「清掃料金」の設定
OTAの多くは、宿泊料とは別に「清掃料金(クリーニングフィー)」を設定できます。1回あたりの清掃実費に近い金額を設定することで、オーナーの実質負担をゼロに近づけることが可能です。ただし、清掃料金が高すぎると直帰率(料金確認後に離脱するゲスト)が増えるため、周辺の競合物件の相場を調べたうえで設定してください。
清掃コストを適正に保つ3つの実践ポイント
- 清掃チェックリストを作成し、業者と共有する
「やること・やらないこと」を明文化することで、作業の抜け漏れを防ぎながら不要な作業への過払いも防げます。初回清掃後に写真付きで記録し、基準を統一するのが効果的です。
- 複数の業者から見積もりを取り、年1回は見直す
清掃業者の料金は需給状況によって変動します。複数社の見積もりを比較し、繁忙期の料金体系(割増の有無)も確認したうえで契約先を選びましょう。
- 消耗品の在庫管理をセットで最適化する
シャンプー・ボディソープ・トイレットペーパーなどの消耗品補充を清掃業者に委託すると便利ですが、仕入れ価格がオーナー直接購入より割高なケースがあります。量が多い場合は自分で調達して業者に補充だけ依頼する形を検討してください。
まとめ
民泊の清掃費は、1回あたり3,000〜20,000円以上と物件規模・エリア・依頼先によって大きく異なります。コストを削ること自体は有効な経営判断ですが、「清潔さ」に関わる核心部分を削ると評価が下がり、稼働率・単価の両面で損をするリスクがあります。
適正な清掃費を把握するための手順をまとめると、①物件の広さと所在エリアを基準に相場を確認する、②複数の依頼先から見積もりを取得する、③OTAへの清掃料金設定でオーナー負担を調整する、という順番が現実的です。
なお、民泊の届出要件(住宅宿泊事業法に基づく届出、消防法上の設備要件など)は自治体ごとに異なる場合があります。清掃・運営の仕組みを整える前に、物件所在地の自治体窓口または保健所に最新の要件を確認することを強くお勧めします。開業前の総合的な費用感を確認したい方は開業費用シミュレーターもあわせてご活用ください。
※本記事は一般的な情報の整理であり、法令・条例の要件や市場の状況は地域・時期・物件により異なります。実際の開業・運営にあたっては、必ず管轄の自治体・保健所・消防署および専門家にご確認ください。
この記事の内容、プロに任せるという選択もあります
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この記事の内容を確認できる公式情報
制度の要件は自治体・時期により異なります。最新かつ正確な情報は、以下の一次情報でご確認ください。
- 民泊制度ポータルサイト(観光庁・厚生労働省)住宅宿泊事業法(民泊新法)の届出制度
- 生活衛生関係(厚生労働省)旅館業法の許可・衛生基準
- 総務省消防庁消防用設備・防火管理の基準
- e-Gov法令検索法令の条文
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