民泊開業

民泊の適正客室数を3軸で逆算する方法

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民泊の適正客室数を3軸で逆算する方法

民泊・簡易宿所を開業するとき、「何室からスタートすれば良いか」は多くの開業検討者が悩むポイントです。結論から言うと、床面積・清掃キャパ・手元資金の3軸を順番に確認し、最も小さい数字を採用するのが安全な逆算法です。

この記事では、各軸ごとの考え方と目安の計算手順を具体的に解説します。数字を当てはめるだけで「自分の適正室数」が見えてくるので、開業計画の土台として活用してください。

なぜ「室数の上限」を先に決めるのか

室数を増やすほど売上の天井は上がりますが、同時にリスクも比例して拡大します。清掃が追いつかなければゲスト評価が下がり、キャッシュが不足すれば修繕や緊急対応ができなくなります。最初から限界ギリギリの室数で始めると、想定外のトラブルひとつで運営全体が崩れやすくなります。

そのため、「もう少し増やせるかも」という感覚より一段低い室数でスタートし、運営に慣れてから拡大するアプローチが現実的です。以下の3軸で上限値を出し、最小値をスタート室数の目安にしてください。

軸① 床面積から導く「法的・物理的な上限」

民泊や簡易宿所では、法令上の居室面積要件があります。住宅宿泊事業法(民泊新法)では宿泊者1人あたり3.3㎡以上の床面積が必要とされていますが、簡易宿所の場合は旅館業法が適用され、自治体ごとに異なる基準が設けられています。必ず管轄の保健所や自治体窓口で最新の要件を確認してください。

物件全体の専有面積から共用部(廊下・トイレ・浴室など)を差し引いた「客室に使える正味面積」を算出し、1室あたりの想定面積で割ると物理的な上限室数が出ます。

物件の正味面積(目安)

1室15㎡想定

1室20㎡想定

60㎡

4室

3室

100㎡

6室

5室

150㎡

10室

7室

この数字が「物理的・法的な上限」です。次の軸で実運営上の上限を確認します。

軸② 清掃キャパから導く「運営上の上限」

客室数が増えるほど、チェックアウト後の清掃をどれだけこなせるかがボトルネックになります。1室の清掃にかかる時間は広さや設備によって変わりますが、一般的には1室あたり45〜90分程度を見ておくのが無難です。

清掃の方法は大きく2パターンあります。

  • 自分(または家族)で行う場合: 1日に動ける時間を確認する。チェックアウトが集中する午前中から昼にかけて、何室分こなせるかを計算する。目安として、1人で1日に対応できるのは3〜5室程度が現実的な上限です。
  • 清掃業者・スタッフに委託する場合: 1室あたりの委託費(目安:3,000〜8,000円程度、地域・広さにより幅あり)と、連絡・品質管理にかかるオーナーの時間を加味する。委託すれば室数の上限は上がりますが、固定コストも増えます。

清掃費の見積もりは、清掃費シミュレーターを使うと室数別のコスト感をすぐに確認できます。

軸③ 手元資金から導く「財務上の上限」

開業時に必要な費用は、大きく分けて「初期投資」と「運転資金」の2種類です。

  • 初期投資(1室あたりの目安): 内装・リノベーション、家具・家電、アメニティ備品など。物件の状態にもよりますが、1室あたり50万〜200万円程度の幅で見込まれることが多いです。
  • 運転資金: 稼働率が安定するまでの3〜6か月分の固定費(家賃・光熱費・OTA手数料・清掃費など)を手元に残しておく必要があります。

逆算の手順は以下のとおりです。

STEP

  1. 1開業に使える総資金から、運転資金(固定費×6か月が目安)を差し引く
  2. 2残額を1室あたりの初期投資額で割る
  3. 3その商が「資金面の上限室数」

たとえば、使える総資金が600万円、運転資金として150万円を残すとすると、初期投資に使えるのは450万円。1室100万円で整備するなら4室が上限という計算になります。収支全体のイメージは民泊収支シミュレーターで確認しながら調整してみてください。

3軸の結果を並べて「最小値」を採用する

3つの軸でそれぞれ上限室数が出たら、次のように並べます。

算出した上限室数(例)

① 床面積(法的・物理的)

6室

② 清掃キャパ(運営上)

4室

③ 手元資金(財務上)

4室

この例では、最小値の4室がスタート時の適正室数です。どれか1軸だけを見て決めると、別の軸で詰まる可能性が高くなります。3軸すべてでクリアできる数字を採用することが重要です。

まとめ

民泊・簡易宿所の適正客室数は、「できそうな最大値」ではなく「3軸の最小値」から決めるのが基本です。

  • 床面積: 法令要件と物件の正味面積から物理的上限を出す
  • 清掃キャパ: 自分または委託で1日にこなせる室数を現実的に見積もる
  • 手元資金: 初期投資と運転資金の両方を確保できる室数に絞る

スタート時は小さく始めて運営に慣れ、稼働率と収支が安定してから拡大するほうが長続きしやすい傾向があります。法令・許認可の要件は自治体によって異なるため、保健所や自治体の担当窓口に必ず事前確認をしてください。

※本記事は一般的な情報の整理であり、法令・条例の要件や市場の状況は地域・時期・物件により異なります。実際の開業・運営にあたっては、必ず管轄の自治体・保健所・消防署および専門家にご確認ください。

この記事の内容、プロに任せるという選択もあります

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この記事の内容を確認できる公式情報

制度の要件は自治体・時期により異なります。最新かつ正確な情報は、以下の一次情報でご確認ください。

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監修・執筆

民泊開業ラボ 編集部

株式会社47マーケティング

民泊・小規模ホテルの開業と運営の実務情報をお届けします。

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